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そよ風Zephyrのある風景
カウンセリング「電波と盗聴」
これはクライアントとカウンセラーの話ではありません。私とその人はたいへん近い関係なので、クライアントにはできないのです。その親しい知人は四六時中「盗聴」され、また「電波」に攻撃されていると言います。彼女は、数年前に失踪し以来ずっと行方不明でしたが、昨年はじめに突然衰弱状態で姿を現しました。盗聴と電波から必死に逃げ回っていたのです。発信機を体のどこかに埋め込まれたために、何処に逃げても電波は必ず追いかけてくるのです。そのうちに体力と気力が衰えダウンしてしまったわけですが、幸いにも倒れる寸前に本人から連絡がはいり、ご主人が駆けつけたというわけです。
精神科のお医者さんによると、電波が聞こえる人は世の中にたいへん多いそうです。彼女に「電波なんてないよ」と言って、現実的でないと諭すのはナンセンスです。彼女の内的体験においては本当に電波に追われているのです。

私は以下の三つを計画しました。
1. 共感と信頼関係づくり
2. 電波とは対決するのではなく、上手につきあう(仲良くする)
3. 精神科に通院するのを楽しいものにする

1. については、無条件の受容と共感、傾聴、それらによる信頼関係づくりです。(但し、コーチングのように励ましたり、エネルギー注入的な同意をしたり、あるいは価値観へ訴える、などは禁物です)
2. については「今日は電波きている?」と聞いてあげることにしました。勿論、答えはいつも「ウン」ですが、否定しないでただ聞いてあげることで少し落ち着いていくようでした。精神科の先生も、同じように「今日は電波きている?」と聞いてくれました。
3. については、通院日は必ず自宅まで迎えに行って、ご主人と一緒に3人で病院にいくことにしました。天気のいい日は、その後お茶を飲んだり、甘いものを食べに行ったりしました。

あれから早いもので、一年半が過ぎました。お陰さまで、当初は毎週一回の通院でしたが、そのうちに月一回に減り、現在は1ヶ月半に一度にまでなりました。1年が過ぎた頃からは自宅まで迎えに行くのではなく、病院で3人が集合することにしました。
最近はご夫婦二人で旅行に行こうか、などと話しているようです。病院集合は今も続いていますが、まずは一安心。

〔教訓〕 「治療は患者の中から自然に芽生えてくるもの」
干場 2009年6月
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